人生・生き方にまつわる名言
キルケゴール
英雄は、全体が終ったから英雄になったのではなく、彼がはじめたから英雄であったのである。
- 出典・参考・引用
- 世界文学大系「キルケゴール」p167
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おそれとおののき
それは結果できまることだ、という言葉を聞くと、失礼ながら、そうおっしゃるお方がどなたであられるかがすぐさまわかってしまうのである。
(中略)
人生における彼らの職務は、偉大な人々を裁くことである、しかも、結果からみて裁くのである。
偉大なものに対するそのようなやり口には、高慢さと惨めさとの奇妙な混合が暴露されている。
高慢というのは、自分は裁く天職をさずかっていると思っているからであり、みじめさというのは、自分の生活が偉大な人々の生活と少しも似かよっていないことを感じているからである。
高尚な精神をほんのひとかけらでももっている人なら、まったく冷たくてねっとりした軟体動物などに成りさがりはしなかったに違いない。
そして、彼が偉大なものに近づくとき、世界創造の昔から、結果は最後に来る、というのが世のならわしであったことを、そしてまた、偉大なことから本当に何かを学ぼうと思うなら、ものの初めにこそ注意を払わねばならないということを、彼はけっして忘れることができないであろう。
行動しようとする人が、結果を見たうえで自分自身を裁こうと思うとしたら、その人はけっしてはじめるにいたりはしない。
たとえその結果が全世界をよろこばせようとも、そんなことは英雄にとってはなんの役にも立ちはしない。
なぜかというに、結果を英雄が知るにいたるのは、全体が終ってしまったうえでのことである。
ところが英雄は、全体が終ったから英雄になったのではなく、彼がはじめたから英雄であったのである。
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