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ニーチェ
過去のものを生のために使用し、すでに生起した出来事からふたたび歴史を作るという力によってはじめて、人間は人間となる。
しかし歴史が度をすごすとき、人間はふたたび人間たることを止めるのである。
- 出典・参考・引用
- 世界文学大系42「ニーチェ」(生に対する歴史の利害について - 第二反時代的考察)p313
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ニーチェ
それゆえわれわれは、ある程度非歴史的に感じうる能力を、より重要でより根源的な能力であると見なければならないであろう。
もちろんその能力に、まともなもの、健全なもの、偉大なもの、真に人間的なものが生い立つ基盤があっての話ではあるが。
非歴史的なものは包み覆う雰囲気に似ている、その雰囲気の中でだけ、いのちは産みなされてゆくのである。
この雰囲気を破棄すると同時に、いのちはふたたび消滅する。
思索し、熟考し、比較し、分離し、結合しながら、あの非歴史的要素を制限することによってはじめて、人間は人間となる。
あの取りかこむ雲霧の内部に一条の明るい閃光が発生することによってはじめて、つまり過去のものを生のために使用し、すでに生起した出来事からふたたび歴史を作るという力によってはじめて、人間は人間となる。
このことに間違いはない。
しかし歴史が度をすごすとき、人間はふたたび人間たることを止めるのである。
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