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ニーチェ
私が造形力というのは、自己自身から独得に生い立ち、過去のものや異質のものを作りかえてわがものにし、傷をいやし、失われたもののつぐないをし、こわれた形を自分からつくり補ってゆく、あの力のことなのだ。
ある人間の内奥の天性が強い根を持てばもつほど、その人が過去を同化したり征服したりする力は、いよいよ大きいであろう。
- 出典・参考・引用
- 世界文学大系42「ニーチェ」(生に対する歴史の利害について - 第二反時代的考察)p313
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ニーチェ
私が造形力というのは、自己自身から独得に生い立ち、過去のものや異質のものを作りかえてわがものにし、傷をいやし、失われたもののつぐないをし、こわれた形を自分からつくり補ってゆく、あの力のことなのだ。
世の中には、この力を持つことがあまりにも少ないために、たった一度の体験、たった一回の苦痛、ときにはたった一度のさほどでもない不正にぶつかってさえ、ほんのささやかな血のにじみ出た傷口が因となった場合のように、再起不能なほどに貧血してしまう類の人たちがあるかと思うと、他方には、どんなに暴虐戦慄的な惨事でも、あるいは自分自身の悪意の所業にさえ、いっこう動ずるけしきもなく、そのただなかにおいて、あるいはまたその直後には、かなり快適な状態と一種平静な良心にこぎつけるような人たちもいるのである。
ある人間の内奥の天性が強い根を持てばもつほど、その人が過去を同化したり征服したりする力は、いよいよ大きいであろう。
そして、もっとも強力巨大な天性を想像してみるなら、その天性にとっては、歴史的感覚がのさばりすぎて傷害的な作用を及ぼしうるような限界がまったくないという点で、これを見分けることができるだろう。
そういう天性は、すべて過去のものを、自分のであっても他人のであっても、自分に引きよせ、自分の中に引き入れ、そしていわば血につくりかえてしまうのだ。
もしこなせないものがあれば、そういう天性はそれを忘れることを心得ている。
つまりそういうものはもはや存在しないのだ。
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