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ニーチェ
君たちが理想的な物を見るところに、私は見る、人間的なものを。
ああ、あまりにも人間的なものを。
- 出典・参考・引用
- 世界文学大系42「ニーチェ」(この人を見よ-いかにしてひとは自己自身となるか)p388-389
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この人を見よ
「人間的な、あまりにも人間的な」は危機の記念碑だ。
それはみずからを「自由精神のための書」と呼ぶ。
その中のほとんどの句がどれもこれも一つの勝利をあらわしている。
私はこれによって私の性質の中の身につかぬものから自分を解放したのだ。
私の身につかないものに理想主義がある。
標題が語るところは「君たちが理想的な物を見るところに、私は見る、人間的なものを。ああ、あまりにも人間的なものを!」ということだ。
私は人間をよりよく知っている。
「自由精神」という言葉は、ここでは、自分自身をふたたび獲得した自由になった精神、という以外の意味ではない。
(中略)
それはまったく一つの進歩であった、私自身に向かっての進歩であった。
もし人が丹念に見てくれたら、理想の巣食っているあらゆる隠れ場、いわばその最後の安全を保っている城中の地下室といったものまで知っている一個の仮借のない精神を見出すであろう。
それはすこしも「ゆらめく」ことのない松明を手にして、理想のかかる地下の国をあかあかと照らしだす。
たしかに戦争であるが、しかし火薬も硝煙もなく、勇敢な身振りもなく、悲愴なものもなく、はずれた手足もない戦争である。
こうした一切はそれ自体がまだ「理想主義」であろう。
誤謬がつぎつぎに物静かに氷の上に置かれる。
理想は反駁されるのではない、凍えるのだ。
たとえばここでは「天才」が凍える。
すこしさきでは「聖者」が凍える。
厚い氷柱の下で「英雄」が凍える。
最後には「信仰」が、いわゆる「信念」が凍える。
「同情」もいちじるしく冷却する、ほとんどいたるところで「物自体」が凍える。
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