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ニーチェ
かれは、かれが見たり聞いたり体験したりするものから、一個の全体を集成する。
かれは一個の選択する原理なのだ。
- 出典・参考・引用
- 世界文学大系42「ニーチェ」(この人を見よ-いかにしてひとは自己自身となるか)p362-363
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この人を見よ
かれは硬くて、同時に繊細で、いい香りのする木材で彫りあげられている。
彼にとっては有益なものだけが、美味に感じられる。
有益という限度を越えると、かれにはうまくなくなり、食欲がとまってしまう。
かれは傷害を受けても、それに何が効くかを察知する。
かれは不利な偶然を自分のためになるように利用しつくす。
かれを斃すにいたらないものなら、かえってかれをいっそう強くする。
かれは、かれが見たり聞いたり体験したりするものから、一個の全体を集成する。
かれは一個の選択する原理なのだ。
かれは多くをふるい落とす。
かれは書物と交わろうと、人間と交わろうと、あるいは風物とまじわろうと、つねに自分の中にいる。
かれは選ぶことで、認容することで、信用することで、自分の敬意を示す。
かれはあらゆる刺激に緩慢に反応する。
長期の思慮と故意の矜持のためにおのずと身についたあの緩慢さをもってである。
刺激が近づくと、かれはこれを吟味する。
自分からこれを求めてでてゆくなどということはおよそない。
かれは「不運」とか、「罪」とかを信じない。
かれは自分なり、他人なり、それはそれでかたづけてしまう。
かれは忘れることを心得ている。
何もかもかれのためにならざるをえないほど、かれは強い。
まこと、私はデカダンの反対物だ。
ここに描いたのは、ほかならぬ私のことである。
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