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ヒルティ

すべての感情の最も不愉快なる恐怖や心配より出づる力を得るには、先ず第一に、金や名誉や快楽等の欲を征服せんと企てることが適切である。

出典・参考・引用
カ-ル・ヒルティ著、平田元吉訳「幸福」66-67/190
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幸福

此れは実践的に最も肝要である。
而して此れは幸いにして各個人の経験及び歴史上における民族の経験に依って証明することが出来る。
凡て不正の行為には言わば刑罰が其の性質として内住し、従って自然に絶対的必然を以て秩序を破った者の頭上に之が墜下する。
人一旦此の事を確信せば、或る有名なる聖書の解釈者が言った通り、神の命令も、之を過酷な規則と思わずして神が罰なる禍を除かんとする(是れ賜物である)正当な予防手段と思はば、愉快な光景を現わすものである。
誰でもこうなれば大事なことが既に定まって来ているのである。
彼は凡ての感情の最も不愉快なる恐怖や心配が其の大部分を成す普通生活の「参違たる広き深き森」に止ることを欲せないで、之から出づる力を、之が在らんと思われる処に捜して居る。
此の力を得るには、ダンテが其の神曲の美しき第一曲に歌える如くに、先づ第一に、金や名誉や快楽等の慾を征服せんと企つることが適切である。
然し是は人間の自己の力には余るほどの困難である。
故に近代の最も純粋なるストア主義者なるスピノザさえも(其の認識の発展に関する論文中に)こう言っている。
「自分は此の事を考えにては充分明瞭にして居るけれども、未だ全く食欲肉欲野心等を去ることは出来ない」。
故に「自己を知れ」なる有名な格言も人生の幸福に至るの道としては全然無益である。自分が改善を為す確実な手段を発見せざる前に自己を知る者は厭世に陥らざるを得ない。
カーライルが「汝の仕事を知れ、而して之を為せ」との言が遥かに優れて居る。
若し人間が改善の強き刺激を有せない中に、自分を知るということが生じ、而して自己驚嘆という一服の良薬も与えられなかったら、今日の厭世的世界観はエピクテトスの時代の其れよりは一層の極端に至るかも知れぬ。

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