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ヒルティ

最も深い確信は全く第二の天性とならなければならぬ。
己が努力の跡がいつまでもみえるようではいけない。

出典・参考・引用
カ-ル・ヒルティ著、平田元吉訳「幸福」61-62/190
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幸福

最も深い確信は全く第二の天性とならなければならぬ。
決して人工努力の痕が何時までも見えてはならぬ。
さもなくば之は自分に満足平和を与えない。
また他人に充分の印象を与えない。
然し此の信仰は基督教の見解に従えば何か論証の結果でなく、之から得た見識でもなくして、最初は神に対する愛向、後には神に対する断乎たる意志の決定から必ず自然に生ずる結果である。
此の唯一の理由からして、基督教の人生観は、意志を有する凡ての人に其の不信仰の責任を負はしむることが出来る。
是は人に意志がなければ不可能である。
有らゆる哲学及び宗教の出発点に於いて、基督教とストア道とは全く一致して居る。
基督教にはストア教と同じく意志には吾人が力以内のものとして居る。
若し此の事が否定せらるれば一般に道徳の凡ての概念、之に関する凡ての議論も無くなる訳である。
然し基督教は人々を自己の力に依らしめずして、神に意志の向かふことを要求するのである(イザヤ。四十五章二十二乃至二十四節)。
此の神への意向は之がいやしくも功徳になろうとするならば、誠実でなければならぬ。
ゴルトン将軍は其の蘇丹に於ける難渋の裏より、奴隷禁示会の英国の一人員に宛てた卓越な一通の手紙に之を論じて居る。
「汝は願わくば実に基督教の教えに従って其の身を修めなさい。そしたら必ず安心を得られましょう。然し基督教は大概の人には気抜けした力のないもので何等の効果がありませぬ。彼等には御馳走の方が之より大事である」。

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