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ヒルティ

真正に偉大なる人物の内部生活の歴史を知れる者は、必ずこういうことがわかるであろう。
彼等をして人類に秀でしめ、有益せしめし所以のものは、真の哲学あるいは宗教の極めて僅かなる、しかし確固たる原理に由来すると。
そしてまた、一部はその生来の気質に由り、一部は自己の反省と決心とに由って得た良習慣より来たるものであると。

出典・参考・引用

カ－ル・ヒルティ著、平田元吉訳「幸福」28-29/190

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幸福

元来人は哲学上或いは宗教上の道を求むるには、多くの教示を要しないものである。
要は寧ろ其の学ぶ所を実際に信じ、断乎として之を実行するに在るのである。
真成に偉大なる人物の内部生活の歴史をよく知れる者は、必ず一般にこういうことをわかるであろう。
即ち、彼等をして万人に秀でしめ、人類に有益たらしめし所以のものは、真の哲学或いは宗教の極めて僅かなる然し確固たる原理から由来するものである。
而して又た、彼等が、一部は遺伝に由り、一部は自己の反省と自己の決心とに由て得た良習慣から来たものである。
然るに世人がよく哲学とか宗教とかいっているものの全体は、大多数の人々には粧飾的である。
最良の場合でも彼等の実際生涯に直接の感化なき一知識に過ぎない。
もしそうでなかったら、最博識の哲学者や神学者は、常に最良の人でなければならぬ筈である。

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