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新渡戸稲造

私たちは差異ということと、不平等ということを区別することを学ばなければならない。

出典・参考・引用
新渡戸稲造「武士道」p142-143
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新渡戸稲造
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武士道

あらゆる階級の中でサムライ階級の女性ほど自由を享受しなかった人びとはいなかった。
奇妙なことに、社会的身分が低いほど、夫と妻の地位はより平等であった。
また身分が高い貴族の場合も両性の地位上の差異はそれほど著しくなかった。
これは主として、有閑階級であった貴族たちが、文字通り女性化していたので、性による地位の差異を目立たせる機会がほとんどなかったからである。
(中略)
私の述べたことが「武士道」の下において、女性の地位が非常に低いという印象を与えるとすれば、私は歴史における事実を著しく不当にゆがめたことになる。
私は女性が男性と対等に扱われなかった、と述べることをはばかるものではない。
しかし、私たちは差異ということと、不平等ということを区別することを学ばなければならない。
そうでなければ、この問題について常に誤った考えがつきまとうだろう。
(中略)
もし、女性の社会的地位を測定する際、法律が唯一無二の尺度であるとするならば、女性の地位がどのあたりにあるかを説明するのは、彼女の体重が何ポンド何オンスである、というのと同じくらい簡単なことである。
しかし問題はこうなのだ。
つまり両性の相対的な社会的地位を比較する際に、果たして正確な基準がありうるだろうか、ということである。
また、銀の価値を金の価値と比較するように、女性の地位を男性の地位とくらべ、比率を数量的に算出することは、果たして正当で、かつ十分なことなのだろうか。
このような計算の方法は、人間が備えているもっとも大切な価値、すなわち本質的な価値を考えに入れないことになってしまう。

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