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キルケゴール
どうでもよいことが、世間ではいつでもいちばん問題にされる。
- 出典・参考・引用
- 世界文学大系「キルケゴール」p304
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死にいたる病
無限性を欠くことは、絶望的な偏狭さ、固陋さである。
しかし、この場合、固陋さとか偏狭さとかいうのは、むろん、ただ倫理的な意味においてのことにすぎない。
世間で実際に云々されるのは、ただ知的ないし美的な偏狭さ、すなわち、どうでもよいことだけであり、しかもこのどうでもよいことが、世間ではいつでもいちばん問題にされるのである。
つまり、どうでもよいことに無限の価値を与えるのが、世間というものなのである。
世間的な考察は、いつも人間と人間とのあいだの差別にのみ執着し、だからまた当然のことであるが、唯一の必要なものに対する理解をもたず、それゆえにまた、偏狭さと固陋さに対しても理解をもたない、これはつまり、自己自身を失っていることにほかならないのであるが、それも、無限なもののなかに希薄化されることによってではなく、まったく有限化されることによって、すなわち、ひとつの自己であるかわりに、一つの数となり、この永遠に一律ナモノに加わるもう一個の人間、もう一つの繰り返しとなりおわることによって、自己を失っているのである。
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