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キルケゴール

自己自身を失うという最大の危険が、世間ではまるで何でもないことのように、いとも平静に行なわれている。
これほど平静に行なわれる喪失はない。
ほかのことなら何を失っても、すぐ気づくくせに。

出典・参考・引用

世界文学大系「キルケゴール」p304

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死にいたる病

世間の人は、自己というようなもので大騒ぎなどしない、なぜかといって、自己などというものは、世間では一番問題にされないものであり、それをもっていることに気づかされることが何よりも危険なことであるようなものなのだからである。
自己自身を失うという最大の危険が、世間では、まるで何でもないことのように、いとも平静に行なわれているのである。
これほど平静に行なわれる喪失はない。
ほかのものなら、何を失っても、一本の腕であれ、一本の足であれ、五ターレルであれ、妻であれ、そのほか何を失っても、すぐ気づくくせに。