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先頭が「と」の四字熟語の意味と読み方

同功一体(どうこういったい)

功績も地位も同じであること。
置かれている立場が同一であること。
出典は史記の黥布伝。
夏侯嬰かこうえい黥布げいふの謀反した理由を楚の令尹れいいんであった薛公せつこうに尋ねたところ、「韓信彭越ほうえつ・黥布の三人は同功一体の者です。韓信と彭越が粛清された惨状をみれば、当然自らの身にも及ぶことを疑うでしょう。それが謀反した理由です」と答えた故事から。

辞典

功績と態度とを同一にすること。

  • 淮南王わいなんおう黥布げいふ韓信かんしんを殺し、彭越ほうえつしおからにせしを見て、同功一体の人たるを以て自ら禍の及ばんことを疑ひ、遂に反す。高帝自ら将として之を撃つ(漢書)

*簡野道明編「故事成語大辞典」461/1009

出典・参考・引用
司馬遷「史記」黥布伝
関連タグ
四字熟語
出典
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語句解説

夏侯嬰(かこうえい)
夏侯嬰。前漢の武将。劉邦に心酔し挙兵に同調。常に太僕として劉邦の側に仕えた。韓信を推挙し、季布の危窮を救うなど、大度な逸話を持つ。
黥布(げいふ)
黥布。英布。漢初の武将。黥布は通称。楚に仕えて常に先鋒を担った。功績から九江王となるも対立して漢に帰属。後に韓信や彭越の粛清を目の当たりにして謀反するも敗れ、逃亡の途中で殺された。なお、黥(げい)は入れ墨の意。占いで「刑罰を受けるが王となる」と出ていた為、入れ墨の刑を得ると「これで王になれる」と豪語したという。
令尹(れいいん)
周代の楚における最高位の官名。また、後代では地方長官の別名として用いられる場合がある。
韓信(かんしん)
韓信。前漢の武将で劉邦の覇業に貢献。漢の三傑。大将軍。項羽亡き後、楚の王となるも粛清された。大志を抱き、些細な恥辱にはこだわらなかった様を伝える「韓信の股くぐり」は有名。
彭越(ほうえつ)
彭越。漢初の武将。初め群盗の首領。秦への反乱勃発で兵を挙げ、後に漢に帰属。楚の糧道を絶つ彭越の活躍は漢の生命線であった。漢成立後は約束どおり梁王に封ぜられたが、後に謀反を疑われて殺された。
劉邦(りゅうほう)
劉邦。前漢の始祖。秦を滅ぼし、項羽と天下を争う。野人なれども不思議と人が懐き、「兵に将たらざるも、将に将たり」と称せられた。
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