このエントリーをはてなブックマークに追加

先頭が「む」の四字熟語の意味と読み方

無所求行(むしょくぎょう)

求むること無きを行ずる。
何事にもとらわれず、何事をも求めない自由の境地のこと。
頭ではなく体で悟る、体得すること。
達磨大師の「二入四行論」にみえる。

出典・参考・引用
達磨「二入四行論」四行観・三
関連タグ
四字熟語
出典
<<  前のページ  |   ランダム   |  次のページ  >>

二入四行論

三に無所求行、世人は長く迷ひ、処々に貪著とんじゃくす、之を名づけて求と為す。
智者は真を悟り、理はまさに俗に反す、心を安んじて無為、形随ひて運を転ず、萬有ばんゆう斯れ空、願楽がんりょうする所無し。
功徳黒暗こくあん、常に相ひ随逐ずいちくし、三界久しく居す、猶ほ火宅の如く、有身は皆な苦なり、誰か安んずるを得ん。
此処に了達りょうたつせば、故に諸有しょうを捨し、想を止して無求むぐなり。
経に曰く、
求むる有るは皆苦、求むる無きは即ち楽。
判知はんちするに無求なるは真に道行と為す、故に無所求行と言ふ。

三に無所求行あり。
世人はいつまでも迷い、常に執着する、これを名づけて求という。
真に智たる者は本質を悟り、その悟りによって見出した理は世俗における理とは反し、心を安んじて無為の境地へと達し、形は流れに随って悠々と往く、全ては空なり、願い求めるものなどは無い。
功徳・暗黒、表裏は常に一体である、三界は火宅のようで久しく居れば形あるもの皆に苦を生ずる、ここに居て誰が安んずるを得るだろうか。
此処に悟りが達すれば、諸有を捨て、妄りに想うことなく無求となる。
経に云う。
求めむる有れば全ては苦、求むる無ければすべては楽。
無求とは真に道行なりて、故に無所求行と言うのである。

<<  前のページ  |   ランダム   |  次のページ  >>

語句解説

貪著(とんじゃく)
度をこしてその物事に執着すること。頓着は当て字。
願楽(がんりょう)
願い求めること。
黒暗(こくあん)
黒闇。迷いの闇。また、地獄の意。
随逐(ずいちく)
とを追ってつき従うこと。
三界(さんかい)
欲界・色界・無色界の三つで、凡夫が生死を繰り返しながら輪廻する世界。
了達(りょうたつ)
よくさとってわかること。
諸有(しょう)
すべての事物、または有は有情のことで、心をもつ存在。
判知(はんち)
判断して知ること。
道行(どうこう?)
道を行う、人がその成長を願って行うもの。

関連リンク

達磨
禅宗の開祖。382-532年。150歳まで生きたとされる。インドで生まれ、…
事物を理解し判断するもの。必ずしも良い意味のみを含む訳ではない。…


Page Top