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先頭が「け」の四字熟語の意味と読み方

見地高朗(けんちこうろう)

物事に対する立場、考え方がはっきりとして明朗なこと。
見地は物事を論ずるときによりどころとなる立場、観点を意味し、高朗は高らかで明朗なこと、または学徳や人格などがすぐれていることを意味する。
柳沢吉保によって編纂された「常應録鈔」の中にみえる。

出典・参考・引用
柳沢吉保「柳沢吉保」
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四字熟語
出典
思想
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常應録鈔

炎蒸えんじょうあまね四海しかい我獨清涼がどくせいりょうなりとの言は、老僧のかゆき処をきたり。
の我の一字、佛の一字と同じく是れ天地一般、無二無別、即是れ三世常住さんせじょうじゅうの我にして、人我對待ついたいの我には非ず。
また一偈を求められたれども、我宗もと一法の示すべきなし。
此外復た何をか言はん。
べて太守の赤肉團しゃくにくだんの心内にあるのみ。
只だ其理をあかむるは易く、之を受用することは難し。
太守若し此めあてによつて、明は易く用は難しの語を以て長養せば、
見地高朗、機峰嶮峻にして、真に鉄壁萬仭ばんじん、銀山千丈、天下の衲僧のうそう、知らず退歩すること幾千萬歩なることを。

炎蒸えんじょうあまね四海しかいたるも我獨清涼がどくせいりょうなりとは、何ともいえぬ妙境たる言である。
我とは人我の我ではない。
我とはその魂であり、幾永劫、連綿と続く精神である。
他に何があろうか。
何に捉われることもない、ただ、己の心内にある我である。
理は自ずから心内にある。
あとは己がそれを受け入れその心を実践するのみである。
ただ、それを以て己を為す。
さすれば見地高朗であり、機峰嶮峻であり、鉄壁萬仭であり、銀山千丈であり、如何なる禅僧たりとも及ぶべきもないのである。

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語句解説

炎蒸(えんじょう)
蒸し暑いこと。
四海(しかい)
世の中のこと。古代において世界は四方を海に囲まれていると考えていた。
三世常住(さんせじょうじゅう)
過去、現在、未来の三世にわたり永久不変であること。
対待(ついたい)
相対して相待つ、相反しつつ引き合う関係。陰陽、男女など。
赤肉団(しゃくにくだん)
生身の身体、肉体。
衲僧(のうそう)
衲衣を着ている者の意。主に禅宗の僧を指す。

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