先頭が「か」の四字熟語の意味と読み方
絵事後素
この言葉の解釈には二通りある。
絵の事は素を後にす。
絵を描く際に様々な色彩を施した後に仕上げとして白色、つまり、素を用いること。
素を用いることで色彩が鮮明に浮きだつという。
転じて、すぐれた人格は資質に礼を加えて完成するという意になる。
もうひとつの説として南宋の朱子が挙げたものがある。
朱子は「絵の事は素より後にす」として、素地をしっかりとさせたうえで彩色を施すという意にとる。
即ち、人格の形成にはまず素地こそが大切であり、自らの足元に立脚して人格を高めていかなくてはならないとする。
安岡正篤はその著書「知命と立命」のp117において、朱子の説をとって「素」に関して以下のように記している。
素は普通「もと」と読む。
元来この文字の始まりは絵を描く白い絹、
この素絹がなければ表現のしようがない。
つまり絵画という芸術を表現する生地だ。
それから素地という意味になる。
したがって素質、本質という意味になる。
いろいろの表現技術、あるいは着色などは、みな素絹の上にやるわけだ、と。
出典は論語の
- 出典・参考・引用
- 孔子「論語」八佾篇,安岡正篤「知命と立命」p117
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絵事後素に関する出典・逸話・訳・書き下し文
古典関係
絵事後素に関する古典の参考
- 子夏問ふて曰く、巧笑倩たり、美目盼たり、素以て絢を為すとは、何の謂いぞや、と。子曰く、絵の事は素より後にす、と。(孔子:論語-八佾[8])
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