先頭が「い」の四字熟語の意味と読み方
一箭双雕
一つのことをして二つの成果を得ること。
箭は矢を意味し、雕は鷲を意味する。
一本の矢で二羽の鷲を落とした故事から。
類義語に「一石二鳥」「一挙両得」など。
出典は北史の
- 出典・参考・引用
- 李延寿「北史」長孫晟伝
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北史
周、摂図と与に相競い誇り、驍勇を妙選し以て使者を充し、晟を汝南公宇分神慶の副として遣し千金公主を送りて其の牙に至る。
前後の使人、数十輩、摂図之を禮さず。
獨り晟のみ愛し、毎に共に渉猟し、
嘗て雕有り、肉を飛争し、因りて箭両
請う之を射取れ、と。
晟馳往し、雕の相遇せるを獲し、遂に一発に焉を
摂図喜し、諸子弟貴人皆相親友せるを命じ、之に
突厥の摂図との婚姻に際し、周は趙王・招の娘である千金公主を嫁がせることにした。
使者を送ることになって、どうしたわけか周と摂図は国の威信を競い誇って、武勇の士を選んで使者とした。
周は長孫晟を汝南公・宇分神慶の副使として遣わし、千金公主を送って摂図の元へと到着した。
その前後に送られた数十人の使者には、摂図は少しも相手にしなかったが、ただ長孫晟だけは甚く気に入り、常に一緒に渉猟して、終に一年余に及んだ。
ある時、二匹の鷲がいて餌を奪い合っていたのを見つけ、摂図が二本の矢を長孫晟に与えて云う。
この鷲を射取ってみよ、と。
長孫晟はすかさず進み出て、鷲が相重なるのを射、一本の矢で二羽の鷲を貫いた。
これを見た摂図は大変喜び、諸子弟貴人皆に長孫晟と親友となるよう命じ、長孫晟に付いて弾射を学ぶことを願ったという。
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語句解説
- 突厥(とっけつ)
- 中国を北方から脅かしたトルコ系遊牧民の国。のちに唐に服従。
- 摂図(せつず)
- 摂図。攝圖。突厥の長で沙鉢略可汗のこと。
- 竟(きょう)
- 期限一杯の意。
- 隻(せき)
- ひとつ、わずかな。
- 雙(そう)
- 双。ふたつ。
- 昵近(じっきん)
- 親しみ近づくこと。じっこん。