先頭が「あ」の四字熟語の意味と読み方
握髪吐哺
すべてを差し置いて賢人を熱心に求める様。
吐哺握髪ともいう。
中国の周公旦が一食の間に三度も口中の食べ物を吐き出し、一回の髪を洗う間に三度もやめて天下の士に面会した故事から。
- 類義語
- 握髪吐哺
- 一饋十起
- 吐哺握髪
- 吐哺捉髪
- 出典・参考・引用
- 司馬遷「史記」魯周公世家
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史記
周公、
我は文王の子、武王の弟にして、成王の叔父なり。
我、天下に於いて、亦た賤しからず。
然れども我は
猶ほ天下の賢人を失はんことを恐る。
子、魯に之かば、慎みて国を以て人に驕ること無かれ、と。
周公が、その子である伯禽を戒めて云う。
私は文王の子であり、武王の子であり、そして成王の叔父でもある。
そして今、天下において身分は高い位にある。
それでもなお、私は一度の髪を洗う間に三度も髪を握り、一度の食事の間に三度も口の中の食べ物を吐き出してでも天下の士と会うことを優先させる。
これというのも、天下の賢人を失うことを恐れるからである。
お前も魯へと行ったら、驕ることなく慎んで人と接さねばならぬ、と。
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語句解説
- 周公旦(しゅうこうたん)
- 周公旦。周の武王を補佐して殷討伐に寄与。武王死後には摂政となり国家の礎を築いた。
- 伯禽(はくきん)
- 伯禽。周公旦の子。魯の君主となり風俗を正し、礼法を改めた。「魯公」とも呼ばれる。
- 文王(ぶんおう)
- 文王。周の武王の父で西伯とも呼ばれる。仁政によって多くの諸侯が従い、天下の三分の二を治めたという。
- 武王(ぶおう)
- 武王。周王朝の始祖。太公望を擁して殷討伐を成し遂げた。
- 一沐(いちもく)
- 髪を洗うこと。
- 哺(ほ)
- 口の中に入れた食べ物。
関連リンク
- 史記
- 前漢の武帝の時代に司馬遷によって著述された歴史書。前91年に成立し…