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詠み人知らず[1]
アメリカ人の夫は人前で妻に口づけをして、私室で打つ。
しかし日本人の夫は人前で妻を打って、私室では口づけをする。
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詠み人知らず
ある意味では、私は日本人が他の民族よりもはるかに多く、まさに何倍も物事に感じやすい気質をもっているにちがいないと考えたい。
というのは、自然に湧き上がってくる感情を抑えること自体が苦しみを伴っているからである。
感情をあふれさせて涙を流したり、苦しみのうめきを外にあらわすことがないように教育された少年たち、そしてまた少女たちを想像してみるがよい。
またこのような努力が彼らの神経を鈍くするか、あるいはより繊細にするか、という生理学上の問題もある。
サムライにとっては感情を顔にあらわすことは男らしくないと考えられた。
立派な人物を評するとき、「喜怒を色に現わさず」ということばがよく用いられた。
そこではもっとも自然な感情が抑制されていた。
父親はその威厳を犠牲にして、子を抱くことはできなかった。
夫はその妻に口づけをすることはできなかった。
私室ではともかく、人前ではなしえなかったのである。
ある機智に富んだ青年は、「アメリカ人の夫は人前で妻に口づけをして、私室で打つ。しかし日本人の夫は人前で妻を打って、私室では口づけをする」といった。
この比喩の中にはいくらかの真実があるかも知れない。
沈着な振舞や心の安らかさは、どんな種類の情熱によってもかき乱されることがあってはならない。
新渡戸稲造「武士道」p101
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