先頭が「と」のことわざ・慣用句の意味と読み方
虎を画いて狗に類す
優れた人物を見習って学んでいるつもりが、失敗して軽薄になってしまうこと。
立派な虎の真似をしていたつもりが、単なる狗のようになってしまうことから。
馬援がその兄の子に学ぶべき人物のあり方を戒めた言葉。
出典は後漢書の馬援伝、十八史略の東漢。
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十八史略
伯高に
所謂、
李良に効うて得ずんば、陥りて天下の軽薄士と為らん。
所謂、虎を画いて成らずんば、反って狗に類するなり、と。
馬援は敦厚周慎な
龍伯高を見習って、もしもできなかったとしても、やはり慎み深い人物にはなるであろう。
ことわざにある、白鳥を刻んで失敗しても、家鴨には似るというようなものである。
だが、杜李良を見習って失敗したら、単なる軽薄者になってしまう。
ことわざにある、虎を描いているつもりが失敗して狗に見えてしまうようなものである、と。
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語句解説
- 馬援(ばえん)
- 馬援。後漢の名将。辺境討伐に功あり。年老いて後も戦場に在ることを求め戦陣にて病没した。「老いてはますます壮んなるべし」などの言葉を残している。
- 謹勅(きんちょく)
- つつしみ深く戒める様。
- 鵠(こく)
- コウノトリ。白鳥の別称。黄鵠、霊異の鳥として扱われる。浩に通じ「大きい」「ひろい」の意になる場合もある。
- 鶩(ぼく)
- 家鴨(あひる)のこと。