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先頭が「し」のことわざ・慣用句の意味と読み方

衆口金を鑠し、積毀骨を銷す(しゅうこうきんをけし、せききほねをけす)

讒言の恐ろしさを喩えた言葉。
多くの人が言えば、やがてはそれが正しくなってしまうということ。
多くの人が口にすれば金をも溶かす力となり、悪口が積もればその親族*1までも潰す力になるという意から。
出典は史記の魯鄒伝。
讒言によって梁の孝王に投獄された鄒陽すうようが獄中で提出した上書から。
鄒陽は見事に身の潔白を説き、梁の上客となった。

辞典

讒言の甚だ恐るべきをいう。
衆口金を鑠すとは、鑠は消すなり、衆口のにくむ所は、堅き金と雖も、亦た之が為に消亡す。
積毀骨を銷すとは、讒人積むこと久しく、そしそしれば、則ち父兄自ら相ひ誅戮ちゅうりくし、骨肉之が為に消滅するをいう。

  • 鄒陽すうよう、獄中より上書して曰く、昔者せきしゃ、魯、季孫きそんの説を聴きて、孔子を逐ひ、宋、子罕しかん*2の計を信じて、墨翟ぼくてきを囚にす。夫れ孔墨の辯を以てすら、自ら讒諛ざんゆに免るる能はずして、二国以て危し。何となれば則ち衆口金を鑠し、積毀骨を銷すればなり。(史記・魯鄒列伝)
  • 衆心城を成し、衆口金を鑠す。(国語)

*簡野道明編「故事成語大辞典」253/1009

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出典
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語句解説

墨子(ぼくし)
墨子。戦国時代の思想家。墨家の始祖。兼愛を唱える。
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  • *1骨肉の間柄の者
  • *2宋の宰相。楽喜(子罕)とは別人と思われる。


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