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先頭が「し」のことわざ・慣用句の意味と読み方

死せる孔明生ける仲達を走らす(しせるこうめいいけるちゅうたつをはしらす)

三国時代・蜀の諸葛孔明を称えた言葉。
死してもなお影響力のあることをいう。
出典は三国志・蜀志・諸葛亮伝の注釈(漢晋春秋)。
対陣中に諸葛孔明の病死を知った魏の司馬仲達が退却する蜀を追撃したところ、旗を翻して応戦する構えをした蜀軍をみて引き返した故事。
なお、出典中の記述は「死諸葛、走生仲達」であり、「死せる孔明生ける仲達を走らす」は太平記・巻五に、「“死せる孔明生る仲達を走らしむ”と云ふ事あり。されば死して後までも、威を天下に残すを以て良将とせり」と記されている。

辞典

太平記巻五に見ゆ。

  • 諸葛亮、軍に卒す、長史・揚儀ようぎ、軍を整えて還る。百姓、奔りて司馬懿に告ぐ、懿、之を追ふ。姜維きょうい、儀をして旗を反し鼓を鳴らし、将に懿に向かふがごとくせしむ。懿、敢えてせまらず。百姓之が為に諺して曰く、死せる諸葛、生ける仲達を走らす、と。懿、笑ひて曰く、吾れ能く生をはかる、死を料る能はざる故なり、と。(通鑑綱目)

孔明は諸葛亮の字、仲達は懿の字。
*簡野道明編「故事成語大辞典」265/1009

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語句解説

諸葛亮(しょかつりょう)
諸葛亮。三国時代の蜀の丞相。字は孔明。劉備に三顧の礼によって迎えられ天下三分の計を達成するも五丈原に志半ばで病死。清廉にして公正、人々は畏れながらも敬慕し、その統治を懐かしんだという。
司馬懿(しばい)
司馬懿。三国時代の魏の将軍。字は仲達。軍略に優れ、大将軍となって呉蜀との戦線を指揮。諸葛孔明との対峙は有名で、誘いにのらない司馬懿にさしもの孔明も為すすべも無かったという。
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