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先頭が「さ」のことわざ・慣用句の意味と読み方

山中の宰相(さんちゅうのさいしょう)

在野にあって国政の大事を相談される人物のこと。
隠棲していても為政者から国家の大事を相談されること。
出典は南史の隱逸下。
梁の陶弘景とうこうけいが山中に隠棲した後もしばしば国事を相談され、人々から山中宰相と尊称された故事から。

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出典
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南史

陶弘景とうこうけい、字は通明、丹陽秣陵の人なり。
人と為り、円通謙謹、出処冥会めいかい、心は明鏡の如く、物に遇へば便すなはち了し、言に煩舛はんせん無く、亦たすなはち覚る有り。
しばしば加礼して聘すも、並び出でず。
武帝曰く、
学を欲すること曳尾の亀えいびのかめなり、豈に致せしむる可きの理有らんや、と。
国家に吉凶征討の大事有る毎に、さきに以て諮詢しじゅんせざる無く、月中常にしばしば信有り。
時人じじん謂ひて、山中の宰相と為す。

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語句解説

冥会(めいかい)
暗黙のうちに理解すること。
煩舛(はんせん)
煩わしく、理にたがうこと。舛(せん)は相矛盾することをいう。
曳尾の亀(えいびのかめ)
束縛されずに自由に生きる例え。曳尾(えいび)は尾をひくこと。荘子が仕官を求められた際に「亀が居たとしよう。死して占いの道具として貴ばれるを願うか、生きて泥中に尾を曳くを願うか」と答えた故事。
諮詢(しじゅん)
問い諮る。問うて意見を求めること。相談。


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