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先頭が「く」のことわざ・慣用句の意味と読み方

君子は庖廚を遠ざく(くんしはほうちゅうをとおざく)

君子は台所を遠ざける。
仁徳あふれる者の慈愛の心を例えた言葉で、生命のやり取りの場に好んで居ることのできない心情をいう。
なお、これは忍びざる心を生ずることが本質であって、必要な食を得るために料理すること自体を蔑むものでも、料理をしないということでもない。
出典は孟子の梁恵王上。
斉の宣王に「私如きものでも民を安んずるに足るか」と聞かれ、孟子は「王はいけにえに引かれていく牛を見て死地に行くのを忍びないが故に羊に代えたといいます。この牛を忍びざると思う心こそ、王者たるに足るものです。君子は生ける姿を見ればその死を目の当たりにするを忍びなくなるものです。故に君子は庖廚を遠ざくと謂うのです」と答えた。

出典・参考・引用
「孟子」梁恵王上
関連タグ
ことわざ
慣用句
出典
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孟子

短絡的に「君子は厨房に立たず」の意とされる場合があるが間違いである。
また、「生き物を殺さずに食べれるのはそれを料理してくれる者がいるからであって云々」の批評をみるが、それはこの語が君子の心情を表現するための例えであることを考えていない。
孟子は「その生を見てその死が忍びず、その声を聞いてその肉を食するは忍びない」と述べ、その忍びざる心情を例えて「君子は庖廚を遠ざく」と言う。
要は、生命のやり取りを目の当たりにするのは忍びないものだ、と言っているだけである。
死をみれば忍びざる心が生ずるのは人情であるし、それでも食するのも人情である。
生命ある者が他の生命を食するのは自然であって、何も批判するようなものでも蔑むものでもない。
人は悲しみながら生き、楽しみながら死んでいくべきであろう。

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君子は庖廚を遠ざくに関する出典・逸話・訳・書き下し文

古典関係

君子は庖廚を遠ざくに関する古典の参考

  • 君子の禽獣に於けるや、其の生を見て、其の死を忍びず。其の声を聞きて、其の肉を食するに忍びず。是れを以て君子は庖廚を遠ざくるなり。(孟子:孟子-梁惠王上[7.1]

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