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和歌・道歌・漢詩にある名言

井伊直弼

世の中を よそに見つつも 埋もれ木の 埋もれておらむ 心なき身は

出典・参考・引用
武田鶯塘「井伊直弼言行録」20/92,碧瑠璃園「井伊大老」14/263
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井伊直弼
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埋木の舎

井伊直弼の青年時代の居宅が「埋木の舎」。
庶子で表舞台に縁遠い境遇ながらも、この歌のとおりに修養に励み、時勢の到来を期したという。

井伊直弼は「埋木舎の記」という日記を書いている。
これは延岡七万石への養子のチャンスを逃した直弼が、江戸に一年余住むにつけ、あてがわれた当座の住まいにも「埋木舎」と名づけ、その所以を問われて曰く、
うもれ木の屋と、名づけたりし意を、問ふ人のありけるにつきて、云ひけらく。
いにしへ源三位げんざんみは、埋木を以て、今はの歌に、花さくこともなかりしといひ、家隆二位いえたかにいは、此を以て祝ひに寄せ、氷のもとに春を待つなど、其心そのこころはさまざまなり。
おのれは
世の中をよそに見つつも埋木の 埋もれてをらむ心なき身は
といひき、これを四とせばかりすぎにしあとのことにして、この名、いまいひそめしにあらず。
さるに、こたび、とみの事とて、ここにめしよせられて添御館そへみたちをかさせ給ひしを、かく賤しき名をもてしるせること、いとはしたなく覚え、世の人々の心にも、そむくべきなれど、今しばしのすまひを、何とかはよぶべきとて、古郷の軒端のきばに書きつけたりけるを、やがて物にしるしつつ名づけしゆえよしは、はじめの歌にて知るべし。
これ世を厭ふにもあらず、はた世を貪るごとき、かよわき心しおかざれば、望み願ふこともあらず。
ただうもれ木の籠り居て、なすべきわざをなさましと、おもひて設けし名にこそといらへしままを、埋木舎うもれぎのやのこととす。

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