和歌・道歌・漢詩にある名言
吉田松陰
立志は特異を尚ぶ、俗流と与に議し難し。
身後の業を思はず、且だ目前の安きを偸む。
百年は一瞬のみ、君子は素餐する勿れ。
- 出典・参考・引用
- 2011年元旦読売新聞38面日本大学広告
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与山田生
立志尚特異
俗流與議難
不思身後業
且偸目前安
百年一瞬耳
君子勿素餐
立志は特異を
百年は一瞬のみ、君子は
志を立つること大なれば、俗流と共に議することは難しい。
俗流は今に安んじて世に継ぐべき大事業を思わず、ただ目前の安楽に耽るのみである。
百年とても一瞬に過ぎないのだ、君子なれば現状に甘んじてはならない。
素餐はむやみに官録に居ること。
今回は、給料を貰うことに満足する程度の人間に収まってはいけないという意に採った。
蘇洵の「賢者は自らの死を悲しまず、ただ国の衰を憂う。故に賢者たれば継ぐべき者が在って後に死ぬべきである」に通ずるか。
なお、この詩は吉田松陰が門弟であった山田顕義の元服の際に扇面にしたためて与えたという。
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語句解説
- 素餐(そさん)
- 仕事もせずに俸禄を受けること。無為徒食。なお、本来の意は質素生活を指すともされ、古くには良い意味にも用いられている。