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和歌・道歌・漢詩にある名言

山中鹿之助

憂き事のなほこの上に積れかし、限りある身の力ためさん。

出典・参考・引用
新渡戸稲造「武士道」p119
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和歌
山中鹿之助
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山中鹿之助

真のサムライにとっては、いたずらに死に急ぐことや死を恋い焦がれることは卑怯と同義であった。
一人の典型的な武士をあげよう。
彼は次々と戦いに敗れ、山野を彷徨し、森から洞窟へと追いつめられた。
そしてついには刀欠け、弓折れ、矢尽きて、ただ一人ほの暗い木のうろで空腹に耐えかねているおのれを見出した。
これと似た状況下にあっては、はしなくもあの気高いローマ人(ブルータス)でさえもみずからその刃の上に伏したではなかったか。
だがこのサムライはここに及んでも死ぬことは卑怯だと考えた。
そして、キリスト教の殉教者の不屈の精神に近い心境で一首を詠じてみずからをはげました。
憂き事のなほこの上に積れかし、限りある身の力ためさん。
あらゆる困苦、逆境にも忍耐と高潔な心をもって立ち向かう。
これが武士道の教えであった。

武士道の訳者注では「山中鹿之助」の歌としているが、他の書には江戸時代初期の「熊沢蕃山」が詠じたという記述がある(三輪田真佐子撰「教訓百首詳解」など)

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