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徳川家康
天下を一身に縮め、一身を天下に広めて政道をなせ。
- 出典・参考・引用
- 清水橘村「家康教訓録」30/99
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徳川家康
これを一身の道理に充つれば一身の中に隠れ、これを一国の道理に仲れば天下の道となる。
また此の心の持ちようにて、命の長短、身心の善悪となる。
たとえば善道を好む者は苦き薬を呑む、灸をして身を我儘に持たざるものは長命なり。
天下国家を治むるも又たかくの如きなり。何事も我が身に喩えてする時は、辟事なし。
君に仕ふるものは、我が家人を使ふ心を以て其の君に仕へよ。
吾が家人の吾れに不忠なる時は之れを怒り、能く仕ふる時は之れを悦ぶこと、眼前の儀にして、其の君も亦た吾れに等しかるべし。
去ればその心得にて、天下を一身に縮め、一身を天下に広めて政道をなし給へ。
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