思索
黙養
人を判断するにはその発するところをみろという。
答えるところにではない。
問いのための問いでもない。
何か物事に処して、ふと発する一言、日常において何気なく発する一言だ。
別に言葉でなくてもいい。
その何気なく発する風を感じ取ればいい。
ヒルティは云う、最もわからぬのは社交の場だと。
会話などはいくらでも取り繕う。
会話でその人間がわかるなどと、思ってはいけない。
冗長な言葉のやり取りなど、単なる自己満足に過ぎない。
会話することの重要性を説く人はよくいるが、自分と対話することの重要性を知る人はほとんどいない。
他人とばかり関わるくせに、一番身近な自分と積極的に関わろうとはしない。
言葉花咲く者は実なしと云う。
たまには黙養の実を味わってみてもよいではないか。
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