補記
富みて金銭を用いる者
才人は才能の有る者。
政治を担うには才が要る故に、才人を述べる。
ただし、いくら才有りても栄達を望みて才を用ひ、私心に惑う者なれば害悪甚だし。
故に人君たる者は、心を
佳人は善き人、麗しき人。
多く、美人の意で用いられるが、この場合は古の顔回の如き人をいうのであろう。
貧賤に在りて意に介さず、その境遇のままに道を楽しむ。
そのような素行自得の人物であって初めて、金銭を得てこれを使うに足る。
故に大学に曰く、
仁者は財を以て身を発し、不仁者は身を以て財を発す、と。
自己を修めざる者なれば、金銭に使われるだけとなり、金銭を用いることはできない。
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語句解説
- 顔回(がんかい)
- 顔回。春秋時代の魯の人。字は子淵で顔淵とも呼ばれる。貧にして道を楽しみ孔子に最も愛された。三十二歳で早世し、後に亜聖と尊称。
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