補記
辞は情を越えず、情は義を越えず
人情を巡らすは寛容であり、真に酌量すべきを知るは明察である。
しかし、酌量しても余りある罪があれば如何ともし難い。
己一人の情においては許したくとも、それを許すべきでないことがある。
これを決して断ずるは義である。
私心なき義は情を私せず。
情を私せざるが故に義は情と一致し、情もまた訴えに一致する。
故に孔子曰く、
これ上下罰を比して須らく是となる所以であろう。
※ここでは「越えず」をぴたりと一致する意に解した。
その所以は論語にいう「心の欲するところにおいて其の矩を踰えず」である。
あるがままにして天地万物と理を同じうするは人の至れる姿であろう。
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