補記
自己驚嘆の一服の良薬
“自己驚嘆の一服の良薬”、これが重要なことである。
人は自己の偉大さを自覚せねばならぬ。
その人間の外部的要因、その人間が為した事功の如何は関係ない。
現在の自分のままで自分はあまりにも偉大なることを自覚せよ。
自分自身に驚嘆したとき、世に対する感覚は何か暖かなものとなるであろう。
何かよくわからんが感じる心地よい暖かさ。
これを得たとき、人は真実の愛を知るであろう。
自己を確信したが故に、本当の意味の愛を知る。
一般的にいう表面的な愛ではない。
周濂渓が窓草の生意を愛でたが如く、程明道が万物自得の意を観んと欲したが如く、己と万物とがその生を調和させるが故に達する愛である。
そこには既に意志と呼ぶような意志はない。
全てと共に存するが故に、己のままで全てに通ずるのだ。
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