補記
大学
道は徳を成すことであり、それは人を導く。
ここでは徳を明徳と云う。
人間本来の徳は人にあって明らかなものであった。
しかし人は宇宙無限を分かち存在する。
分かつことで自分本来の徳は自らの中に埋没してしまう。
これを明らかにするのである。
即ち、仁であり、良知を致すのである。
至ると全ての理は己の理となり善に遷る。
これを陸象山は心即理と云い、自らの学を改過遷善に過ぎないと云う。
ここで至る最たる先は無である。
無は静に近い。
人は静にあって更に致すことで、進歩を得るのである。
そこで至る深層の徳を玄徳と云う。
玄徳は仁や良知の範疇を超越する。
そこは是も非も意識にのぼらない、無意識の世界である。
ここが人間修養における大いなる目標なのである。
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