先頭が「そ」の語彙の意味と読み方
慥慥爾
急迫勤勉にして言行が一致している様。
常に全身全霊をもって学問に勉めること。
ここにおける学問とは学校の勉強とは異なり、自らに反りて誠ある姿を求めることをいう。
「慥」は心+造。
「造」の原字は木の枝に祝祷を収める器をつけた「告」に盤の形を添えたもので、神に祈って捧げ物を進めて神を迎え入れる意があるとされる。
その心は神をはやく迎え入れんと心急ぐ心情をいう。
故に「慥慥」には「急ぐ様」に加えて「篤実でまことある様」を含む。
「爾」は人を正面からみた上半身を示し、その乳房を中心として両胸に紋様を加えたもの。
古代において、婦人が死せし時の悪霊を祓う儀式として、朱色の紋様を身体に加えたとされる。
説文の爻爻部には「麗に爾し、猶ほ靡麗なり。冂に従ひ爻爻に従ふ、其の孔は爻爻し、尓を声とす。此れ爽と意を同じうす」とあり、「麗しく明らかな様」を意味するとしている。
また、「爾」を「璽」の原字であるとして、柄にひも飾りのついた大きなハンコを描いたものとする説もある。
この場合は、印を押すのに下地とぴったりくっつけることから「ちかい」という意になるとする。
尚、「慥慥爾」という言葉は中庸に登場する。
- 出典・参考・引用
- 戴聖「礼記」中庸
- 関連タグ
- 語彙
- 出典
- 漢字解説
慥慥爾に関する出典・逸話・訳・書き下し文
古典関係
慥慥爾に関する古典の参考
語句解説
- 爻爻(り)
- 本来は爽から大を引いた一字。説文には「二爻に従ふ」とある。表示できない故に代用した。
- 靡麗(びれい)
- 華やかで美しい様。華美。
- 尓(じ)
- 出典には上部分が人になる字であるが、表示できない故に代用した。
関連リンク
- 学問
- 一般的な学問は知識を得ること。歴史の知識を得ること、数学の知識を…
- 誠
- 誠とは言を成すと書くが如く、真実で嘘・偽りのない姿をいう。真実と…
- 神
- 人の及ばぬ知恵・力・知識を持つ存在。世界や生命の生成化育を統べる…
- 中庸
- 書物としての中庸は四書五経のひとつ。大学と同じくもとは礼記の一篇…
Page Top