先頭が「し」の語彙の意味と読み方
呻吟語
明の時代に呂新吾によって書かれた人間修養の書。
呻吟は嘆きうめくという意であり、呻吟語はその表題の通り、呂新吾が世へ発した切実なるうめきの書である。
大塩平八郎が佐藤一斎に宛てた手紙の中に「此の書は呂新吾先生の深刻なる煩悶の果てに生まれた偽らざる言葉であります」と記しているなど、その心へと感悟せしめる言葉の数々は、中国においてよりもむしろ日本において親しまれた。
呻吟語の中には、処々の人物論、処世訓から政治哲学に至るまでを切々として説かれており、人物評価の言葉として「深沈厚重・磊落豪雄・聡明才弁」、大臣六等級として「作為なく普通の人間には凡人なのか偉いのかもわからぬが、知らず識らずのうちに恩恵を与えるを第一」「いかにも英邁で事に当たるも得失相半ばするを第二」「事なかれ安全第一主義で利害なしを第三」「保身を旨として何もせぬを第四」「私利私欲を恣にし情に任せるを第五」「自らの権勢・野望のためには手段を選ばず天下国家を乱すを第六」などと述べていることで有名である。
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