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先頭が「し」の語彙の意味と読み方

重職心得箇条(じゅうしょくこころえかじょう)

佐藤一斎が郷里である岩村藩の重役たちのために起草したもの。
重職についての心構えや目の付け所などを十七箇条で著した。
聖徳太子の十七条憲法に倣ったとされる。
・要約
一、小事に区々たらず、大事に抜目なし。重職の重たる字は肝要なり。
二、大度を以て寛容せよ。己に意あるもさしたる害無き時は他の意を用うべし。
三、祖先の法は重宝するも、慣習は時世によって変易して可なり。
四、自案無しに先例より入るは当今の通病なり。ただし先例も時宜に叶えば可なり。
五、機に従がうべし。
六、活眼にて視るべし。物事の内に入りては澄み見えず。
七、苛察は威厳ならず。人情を知るべし。
八、度量の大たること肝要なり。人を任用できぬが故に多事となる。
九、刑賞与奪の権は大事の儀なりて軽々しくせぬ事。
十、大小軽重の弁を失うべからず。時宜を知るべし。
十一、人を容るる気象と物を蓄る器量こそが大臣の体なり。
十二、貫徹すべき事と転化すべき事の視察あるべし。これ無くば我意の弊を免れ難し。
十三、信義の事、よくよく吟味あるべし。
十四、自然の顕れたるままにせよ。手数を省く事肝要なり。
十五、風儀は上より起こるものにして上下の風は一なり。
十六、打ち出してよきを隠すは悪し。物事を隠す風儀とならん。
十七、人君の初政は春の如し。人心新たに歓を発すべし。財務窮すも厳のみにては不可なり。

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佐藤一斎
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