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先頭が「し」の語彙の意味と読み方

(しゅん)

伝説上の人物で五帝の一人。
儒家によって堯と共に聖人として称えられ、人間修養における理想の姿とされる。
堯から帝位を禅譲され、舜は禹に帝位を禅譲した。
舜は顓頊せんぎょくの六世の孫で、父親は後妻に惑って連れ子のしょうを愛すがあまりに常に舜を殺そうとしていた。
それでも舜は常に孝を忘れることなく、頑迷な親に逆らうことなく、父親を悪事に走らせぬように何とかうまく逃れていたという。
舜は黄州の歴山という地で畑を耕し、魚を釣って生活していたが、周囲の人々は舜に自然と感化されて他人のあぜを侵すことなく、釣り場を競うこともなく、皆が謙遜して譲り合うまでに至り、舜が居るところにはいつの間にか人々が集まって集落が形成され、一年で村となり、三年で街となった。
舜が三十歳の時、帝位に即いて七十年経っていた堯はその位を譲るに相応しい人物を左右の者に問うた。
すると四嶽しがくが「民間に虞舜という者がおります。父は道理に悖り、母はやかましく、弟は傲慢ですが、舜はこれに和してよく仕え、常に孝を忘れません」と推挙した。
これによって舜は挙用され、二十年後の五十歳の時には事実上の禅譲を受けて政務を代行し、世の中をよく治めたので天下の者は舜を敬するに至った。
堯は舜に政務を代行させてから八年にして崩じ、舜はその三年の喪が明けた六十一歳の時に帝位に即くことになった。
帝位に即いても舜は父を敬い、弟の象を諸侯に封じた。
舜の治世になると音楽と詩が興り、自然と文化が栄え、天下はよく治まった。
帝位に即いて十七年が経った頃、舜は息子の商均が不肖であったので、帝位を禹に譲ることを決意し、天に推薦した。
帝位に即いて三十九年が経ち、百歳となった舜は南巡の最中、蒼梧そうごの野に崩じて九疑山に葬られたという。

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語句解説

四嶽(しがく)
四岳。堯や舜の時代に四方の諸侯をおさめた官名。
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