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先頭が「せ」の語彙の意味と読み方

(せい)

静とは安定した状態であり、確固として地に足をつけた状態であり、妄りに心動かされることなく、自分自身をしっかりとみつめることのできる静寂なる境地をいう。
このときに人には余裕が生まれ、成長の一路へと邁進することになる。
三国志で有名な諸葛亮が「君子の行は静以て身を修め、倹以て徳を養う」と述べているように、人は静なるを以てその魂の躍動を感じることができるのであり、この時にはじめて自らより発する真の感激性を得るのである。
これは「無の境地」であり、「虚」と同様である。
朱子学で有名な南宋の朱子は「人は静ならざるが故に喜怒哀楽の情に流されて善なる本性が覆われてしまう」として居敬という言葉で静への功夫を説き、陽明学で有名な王陽明は「理の静は無善無悪でこれを至善という。だが、人は気の動に由りて善悪生ずる」として「静を為すは克己の功夫をせねばならない。事上磨練に由りて人は動態・静態の如何なる時も定となる」と説いている。

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語句解説

理の静は無善無悪(りのせいはむぜんむあく)
理の静たる心の天理に従いて行動した場合は必ず善であるので善悪という区別すら生じない。
気の動に由りて善悪生ずる(きのどうによりてぜんあくしょうずる)
気の動きによる心の状態での行動は善を行なう場合と悪を行なう場合が生ずる。
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