このエントリーをはてなブックマークに追加

先頭が「さ」の語彙の意味と読み方

三宝(さんぽう)

三宝とは仏宝、法宝、僧宝の三つ。
仏法を三方面から解したもの。
一体三宝、現前三宝、住持三宝でそれぞれ説くところは異なる。
禅戒鈔にある道元禅師の教授戒文から紐解くと以下のようになる。
まず、一体三法。
阿耨多羅三藐三菩提あのくたらさんみゃくさんぼだいを仏宝とし、清浄離塵せいじょうりじんを法宝とし、和合の功徳を僧法とする、これを一体三法という。
阿耨多羅三藐三菩提はいわゆる悟り、清浄離塵は解脱、和合の功徳は万物一体の仁。
次に現前三法。
菩提を証するを仏法とし、仏の証するところを法宝とし、仏法を学するを僧宝とする、これを現前三法という。
即ち、釈迦自体、釈迦の説くところ、その実践である。
次に住持三法。
天上を化し、人間を化し、虚空に現じ、塵中に現ず、これを仏宝とし、貝葉に転じ、海蔵に転じ、物を化し、生を化す、これを法宝とし、一切の苦をわたし、三界の宅を脱する、これを僧宝とする、これを住持三法という。
即ち、天人合一にして虚空にも在り、塵中にも在り、すべてに在りて有無の間にあらず、これを仏宝といい、経典に転じ、説法に転じ、万物一体なるを法宝といい、一切を滅して解脱救済し、迷いの世界より脱するを僧宝という。
三方面いずれも簡潔にいえば、本質、本質を顕したもの(現象)、実在。
さらに簡潔にいえば、空、色、行。
この三者の至りはいずれも大自然とでもいうべきか。

関連タグ
語彙
思想
<<  前のページ  |   ランダム   |  次のページ  >>

関連リンク

万物一体の仁
人も含めて万物は根本が同じであり、自他一体とみなす思想。王陽明は…
釈迦
釈尊、仏陀とも呼ばれ、一般的にはお釈迦様と呼ぶ。仏教の開祖として…
「易」と共に東洋哲学の最も深い根本概念。自然と育ててゆく力。そう…



Page Top