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先頭が「め」の語彙の意味と読み方

(めい)

根源。
絶対的作用、絶対的な働き。
ただし、絶対とは固定の意味ではない。
狭義には生命(いのち)と同義とされるが、本来的にはもっと大なるものである。
例えば、人の人生自体も命であり、しかもこれは大なる命であって、すうによりて複雑微妙に重なりあった命の集合体である。
その中には動かすことのできる命もあれば、如何ようにも動かすことのできぬ命(宿命)もある。
人はこの動かすことのできる命と動かせざる命を知り、その個々の関係の中に存せし数を感じ、自らで個々の命のあり方を立ててゆくことによって自らで大なる命たる人生を運んでゆくようになる。
この各々の命とその複雑微妙なる関係を知ることを知命といい、それを知りて自らで立ててゆくを立命という。
そして人生は己次第で如何ようにも動く故に運命と呼ぶ。
命はこの渾然とした大きな流れの中に存する最も根源的なものであり、一切を超越して無限の創造発展を遂げさせる働きなのである。
命は令+口。
説文解字には「命は使なり、口に従ひ令に従ふ」とある。
一説に、令の上部は「人を集める形(しゅう)」で下部はせつで節、即ち「しるし、わりふ」をいうとして、人を集めて口で意向を伝える意とする。
また一説に、令は神官が礼帽をつけてひざまずく形として、口(祝詞を収める器)に啓示を授け、神意を得る意とする。
命の真意を察すると、後説の方が近い。

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エピソード

日本古代の人々の名には尊記されて「命(みこと)」と付けられる場合がある。
これは本能に堕せずして、命を自覚し体得して生きる者という意味を持つ。
尚、日本武尊(やまとたけるのみこと)のように「命」の代わりに「尊」を用いる場合もあるが、これは命なる人は人間として尊いということから「尊」の字を当てているという。

子が生まれて名づける際に「命名」というのは、絶対的な意味の名を付けるということである。
これはその名の通りの人間に育てば間違いないという確信をもって授けるものであり、語音が良いからという安易な理由で付けた名は「命名」とは言わずに「付名」と呼ぶ。

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命に関する出典・逸話・訳・書き下し文

古典関係

命に関する古典の参考

  • 其の道を尽して死する者は、正命なり。桎梏して死する者は、正命に非ざるなり。(孟子:孟子-尽心上[2]

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