先頭が「く」の語彙の意味と読み方
君子
君子とは小人の対義語としては、私心がなく公である人物のことをいう。
君子は自らの信じるところをもち、利得権勢に惑わされることなくそれを貫く。
全ての行動は義に基づくのである。
人物の分類という意味では、徳が才に勝る者のことを云う。
この場合は、いかに徳が高くとも才の方が勝れば小人となり、徳も才もいかに小さくとも徳が才より勝るのであれば君子となる。
安岡正篤氏はこの分類において西郷隆盛を偉大なる君子型と評し、勝海舟を偉大なる小人型としている。
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君子に関する出典・逸話・訳・書き下し文
古典関係
君子に関する古典の参考
- 徳の才に勝る、之を君子と謂ひ、才の徳に勝る、之を小人と謂ふ。君子は才を挟んで以て善を為し、小人は才を挟んで以て悪を為す。(司馬光:資治通鑑-周紀[威烈王][10])
- 君子は其の睹ざる所を戒慎し、其の聞かざる所を恐懼す。故に君子は其の独を慎むなり。(戴聖:礼記-中庸[1.1])
- 進退、行蔵は君子の大義なり。君子は仁に進み、知に退き、義に進み、禮に退く、百世、度とすべし。(熊沢蕃山:孝経小解-父母生績[4])
- 今人の師法に化し、文学を積み、禮義に道る者を君子と為し、性情を縦にして、恣孳に安んじ、而して禮義に違ふ者を小人と為す。(荀子:荀子-性惡[1-2])
- 君子の人に異なる所以の者は、其の心を存するを以てなり。君子は仁を以て心を存し、禮を以て心を存す。(孟子:孟子-離婁下[28])
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