先頭が「こ」の語彙の意味と読み方
孝
孝とは父母を敬愛し子としての道を尽すこと。
ただし、父母に順じることや父母を喜ばすことだけでは孝にはならない。
孝であるにはまず、敬することが必要となる。
孔子は「敬せずんば何を以て別たん」と云う。
子は親の道を継ぐ存在であり、人は代々その子孫の思想・教えを受け継ぎ、それを自らの修養によって成し、そして広げ、ついには次代へと継いでいくのである。
不義があれば正す、これも孝である。
ただし、断絶になるような正し方では孝にはならず、そこには必ず愛が存在する。
真に正すことができるのは愛であり、真実の愛とは仁である。
孟子は「父子の間は善を責めず」とし、善を以て善に導くを順としている。
孝は連続であり、統一なのである。
これは孝の字が老の省字に子を入れたものになっていることからも分かる。
また、説文解字の老部に「善く父母に
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孝に関する出典・逸話・訳・書き下し文
古典関係
孝に関する古典の参考
- 夫れ孝は天地生々の理にして、至誠真実の心なり。(熊沢蕃山:孝経小解-序[1])
- 孝は太虚の神道にして、造化の含徳なり。人に有りては万善の淵泉、百行の源なり。(熊沢蕃山:孝経小解-開宗明義[6])
- 子游、孝を問う。子曰く、敬せずんば、何を以て別たん、と。(孔子:論語-為政[7])
- 生けば事へて愛敬し、死せば事へて哀戚す。生民の本、尽くせり、死生の義、備はれり、孝子の親に事ふること終はれり。(曾子:孝経[喪親])
- 身體髪膚、之れを父母に受く、敢へて毀傷せざるは、孝の始なり。身を立て道を行なひ、名を後世に揚げ、以て父母を顕す、孝の終なり。(曾子:孝経[開宗明義])
- 孝弟なるは、其れ仁を為すの本か(孔子:論語-学而[2])
- 亡に事ふること、在に事ふるがごとし。孝子は、親を死せりとせず、孝は死生、一貫なり。(熊沢蕃山:孝経小解-應感[2])
- 曾子曰く、父の命に従ふを孝と謂ふ可きや、と。子曰く、昔者、天子に争臣七人有らば、無道なりと雖も、其の天下を失はず。父に争子有らば、則ち身は不義に陥らず。父の命に従ふのみならば、焉んぞ孝と為すを得んや、と。(曾子:孝経[諌諍])
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