先頭が「こ」の語彙の意味と読み方
黄宗賢
浙江の黄厳の人。
宗賢は字で名を綰(わん)、久庵と号した。
字を叔賢と記されている場合もある。
若くして程明道・程伊川、朱子などの書を読んで学問を志し、進士に及第して後に、北京にて王陽明の声名を聞いて道友となる。
共に講学すること10数年、46歳の時に次第に王陽明への心服を深めた黄宗賢は師弟の礼を取ってその門人となった。
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王陽明の黄宗賢に与ふる書
世衰へ、俗下り、
意思
何ぞ幸いなる、何ぞ幸いなる。
世の中は乱れに乱れて風俗は浅ましく、平生より交友のあった者の多くも、手のひらを返したが如くに頭を改め面を変え、自分の信念など無くして世に容れられる事ばかりに流されている。
その心持ちのなんと淋しく、なんと憫むべきものであろうか。
然るに吾兄にあっては自分の信じた道を尽して変節することなく、徳義ありて世に処している。
そのあり方の、なんと素晴らしいことであろうか。
(安岡正篤の「活学としての東洋思想」p55参考)
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語句解説
- 衰颯(すいさつ)
- 衰落。衰えて勢いがなくなること。