先頭が「き」の語彙の意味と読み方
堯
伝説上の人物で五帝の一人。
舜と共に聖人として称えられる。
子の丹朱を徳に欠けるとして用いず、舜の人物を認めて帝位を禅譲した。
儒家にはその治世を王道政治として称えられ、理想の君主として崇敬された。
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エピソード
天下を治めて五十年が経って堯は「果たして人民は安んじているのだろうか」と考えた。
そこで側近や役人、在野の有力者に聞いてみたが誰もわからない。
仕方ないので人目に触れぬように街中へと出ると、子供が童謡を歌っていた。
「我が烝民を立つるは、爾の極に匪ざる莫し。識らず知らず、帝の則に順う(私達、大勢の民衆がこうして生活できるのは、天子様、あなたのお陰です。何か知らないけれども、自然と導かれて生きているのです)」。
さらに歩いていると老人が何かもぐもぐ食べながら歌っていた。
「日出でて作し、日入りて息ひ、井を鑿ちて飲み、田を畊して食う。帝力何ぞ我に有らんや(太陽と共に過ごし、あるがままに生活する。皇帝だの政府だのなんかよくわからんが、わしには何の関係もない)」。
これを聞いて堯は民が平和に過ごしていることがわかったという。
舜が堯を追放して帝位を奪ったという説がある。
「山海経」という書物には帝丹朱という記述があり、山西の平陽という地方には因堯という城がある。
堯はここに親子もろとも幽閉されたのだとしている。
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