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先頭が「き」の語彙の意味と読み方

器量(きりょう)

量は度量衡の量でますを指す。
即ち、容れる器、これを器量という。
人にとって容れて包み込むは、内奥の情である。
故に“器量よし”という場合には、表面的な美しさをいうよりも、内面から溢れ出る情緒的なその風韻をいう。
同じように“器量人”という場合には、度量の大にして多くの人を容れるに足る人物をいう。
即ち、私を為さずして公、細部に拘らず、善悪を兼ね入れながらも、決して人情に背かざる者である。
器量人は必ず大気有り、大志有り、大義有り、見識を有して事を為す(胆識)。
故に人はその為すところに何ともいえぬ心地よさを得て、その魅力に導かれて自ずから集い、天下普くこれに従いて安んずるを得るに至る。
なお、別の解し方としては、以下のように器と量を別個に解する場合もある。
器は人を一つの“うつわ”に例えたもので、その人の表面的な才能・知識・技能をいう。
量はますであるから、容れる部分、つまり内面的な威徳・人格・性情をいう。
故に“器量よし”は、内面外面ともに優れていることを称える言葉となり、“器量人”という場合には、才徳共に衆に優れていることを指す。
ただ、“器量よし”は外面の美しさを称える場合もあるが、“器量人”の場合には、自然にして人を然らしめる風を感ずる場合に用いることが多く、外面的な人に優れる部分を称える言葉としては用いられない。
故に最初の解し方が妥当であろう。

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