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先頭が「き」の語彙の意味と読み方

鬼神(きしん)

全ては万物生成の理によって創造され形となる。
万物は有形な存在ではあるけれども、その真には無たる境地を存し、決して形としてあるだけの存在ではない。
万物どれをとっても、有無が渾然として調和して生じたものであって、それは万物に通ずる理によりて成るのである。
この霊妙にして生ぜんとする働きを鬼神という。
近思録には「鬼神は造化の迹なり」とあり、造化は万物生成して変化窮まり無きものであって「神」に通じ、迹は顕われんとする状態で「鬼」に通ずる。
そして鬼神は変化窮まり無きものが顕れんとする状態であるから、生死相通ずるが如くにその両時において最も発現されるが、生は形を成すが故に深く蔵されて見えず、死してまた迹を生じ天に昇りて人々感じ、故にこれを以て造化の迹という。
また、「功用を以て鬼神と謂ひ、妙用を以て神と謂ふ」ともある。
悟りがたく顕われざる「妙」たる「神」が「鬼」と合して顕在化し、その功として発現せしものであり、言うなれば、内への働きと外への働きが互いに相俟って発揚する様を示す。
尚、ここでは発現とは目にみえる形になることではなく、人で例えるならば聖や賢へと導く道を創造するが如きものである。
また、内外とは精神と物質の内外のことで、内側と外側の意とは異なる。

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鬼神に関する出典・逸話・訳・書き下し文

古典関係

鬼神に関する古典の参考

  • 子曰く、気は、神の盛んなるなり。魄は、鬼の盛んなるなり。鬼と神とを合するは、教の至りなり。物の精に因りて、制めて之が極を為し、鬼神と明命し、以て黔首の則と為す、と。(戴聖:礼記-祭義[19]
  • 造は無より有に来たり、化は有より無に帰す。造化をなす者は鬼神なり。(熊沢蕃山:孝経小解-三才[1]
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