先頭が「け」の語彙の意味と読み方
敬
敬とは進歩向上の心であり、より高きもの、大いなるもの、偉大なるものに対して生じる心である。
真実の意味において自己の成長を願う際には必ず敬の心が生じるという。
敬が生ずるとき、心への意識の集中と安静なる存在へと至る。
程伊川はこれを「主一無適」と言った。
また、静と動は一であり、敬によって静なる状態を得ると同時に理想へと向かう気の発揚がなされ、これがやがて義となって外への働きとなる。
易経には「
正は誠であり、方は「あたる」である。
敬にて誠を存し、義となって外にあたる。
敬義によって徳というものは内外に遍く渡るのであって、決して人世から遊離したものではない。
論語には「己を修むるに敬を以てす」とある。
自己修養の根本に存するのは敬であり、安岡正篤は敬は恥と共に人として重要な要素であるとした。
<< 前のページ | ランダム | 次のページ >> | |
敬に関する出典・逸話・訳・書き下し文
古典関係
敬に関する古典の参考
- 如何なるか是れ敬。曰く、只だ是れ一を主とす。(王陽明:伝習録-伝習録上[117])
<< 前のページ | ランダム | 次のページ >> | |
関連リンク
- 静
- 静とは安定した状態であり、確固として地に足をつけた状態であり、妄…
- 程伊川
- 中国の北宋時代の儒学者。1033-1107年。名は頤で字を正叔、河南伊水…
- 気
- 事物を形づくり事物に生命を与えるもの。精神の魂。元気は気の根源で…
- 義
- 義とは自らの志より生ずる満足な決定であり、自分の心が命ずるゆくべ…
- 易経
- 四書五経のひとつ。周代の占いの書とされ「周易」ともいう。中国思想…
- 君子
- 君子とは小人の対義語としては、私心がなく公である人物のことをいう…
- 徳
- 徳は原字の直+心に行動を表す「彳」と書かれる。字から読み取ると、…
- 誠
- 誠とは言を成すと書くが如く、真実で嘘・偽りのない姿をいう。真実と…
- 恥
- 自らのあり方を省みて足らざる自分を知る心。人は恥によって自らを律…