先頭が「け」の語彙の意味と読み方
玄徳
玄徳とは深遠玄妙なる徳をいう。
明かには顕されていない天地万物あらゆるものに本来的に備わる徳であり、徳にあらざる徳である。
たとえば人において徳として顕された徳は、人に情があるが故に本来の徳の本質から遠ざかってしまう。
その本質を失わず、徳としても意識されない心そのままの徳を玄徳と呼ぶ。
これは大自然と同じであり、無為なるが故に万物を化す。
儒教において聖人といい、君子といい、そこに仁義禮智信を述べ、人の善性に帰して顕れるに至った徳は、この深遠なる玄徳の一端を垣間見せていることになる。
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玄徳に関する出典・逸話・訳・書き下し文
古典関係
玄徳に関する古典の参考
- 之を生じ之を畜ひて、生じて有せず、為して恃まず、長じて宰せず、是れを玄徳と謂ふ。(老子:老子道徳経[10])
- 生じて而して有せず、為して而して恃まず、長して而して宰せず。是を玄徳と謂ふ。(老子:老子道徳経[51])
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