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先頭が「い」の語彙の意味と読み方

いろは歌(いろはうた)

作者不詳。
漢字では伊呂波歌と書かれる。
仮名四十七文字からなる歌で、手習い歌として有名。
空海の作ともいわれるが、否定的な見解が多い。
いろは歌は単なる言葉遊びの歌ではなく、涅槃経にある雪山偈を解したものであるという。
成立は平安中期。

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いろは歌

いろはにほへとちりぬるを、わかよたれそつねならむ。
うゐのおくやまけふこえて、あさきゆめみしゑひもせす。

色は匂へど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ。
有為の奥山今日越えて、浅き夢見じ酔ひもせず。

色は仏教において色即是空、空即是色と喝破されるように、目にみえる表層面をいう。
匂いや散るは、人の内六根(眼・耳・鼻・舌・皮膚・意)より生ずる外六塵(色・声・香・味・触・法)をいう。
耳目の表層からみれば、名誉富貴はもとより大自然も常に変化して已まない。
故に諸行(万物)は無常であり、生じて滅するは天地の理の如きである。
有為は有為無為の有為で、これも現象面をいう。
これを越えていくのであるから、現世からの旅立ち、即ち死である。
現世はまるで酔って夢でもみているかのように、右往左往して已まない。
故にその生を踏破し得んとする今、無常観からも旅立って真に至らんとするのである。
もう酔ってもいないのにはかない夢などみないぞ、と。

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雪山偈
涅槃経に登場する偈。冒頭四字から諸行無常偈とも呼ばれる。雪山せっ…


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