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エピクテトス

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提要[42]

誰でも汝に悪い事を為し或いは言ったら、次のように思え。
彼は之が正しいと思うから、こう為したり、或いは言ったりするのである。
彼は汝の考えに従はないで、彼自身の考えに従うのである。
彼の考えが間違って居れば、彼は自分を欺くものであって、彼は之が為に害を受くるものである。
何故なら、誰でも真理を不正とは言はば、之は真理には害を及ばさないで、誤謬に陥った人に害を及ぼすのである。
汝じ常に之を念はば、汝を侮辱する人に対して柔和の挙動に出づるであろう。
故に汝は斯様な場合に臨んでこう言え、彼にはこう思えたのだ、と(彼は彼が解した通り言い或いは行ったのである)。

現代語訳・抄訳

誰かがお前に言語や行為を以て害せんとすれば、次のように思え。
彼はそれが正しいと思うから、斯様な言語や行為に出るのである、と。
彼はお前の考えに従わないで、彼自身の考えに従うのである。
彼の考えが間違っているならば、彼は自分で自分を欺いているのであって、彼はこの為に害を受けるであろう。
何となれば、真理を不正であるとする人がいても真理は決して害されることなく、むしろ誤謬に陥った人が害を受けるのであるからである。
このように常に思うのであれば、お前はお前を侮辱する人に対して柔和の挙動で対することになるであろう。
故にお前はさような場合に臨めばこのように言え。
彼にはそのように思えたのだ、と。

出典・参考・引用
カ-ル・ヒルティ著・平田元吉訳「幸福」56/190,エピクテ-ト著,斎木仙酔(延次郎)訳「修養訓」49/105
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