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エピクテトス

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提要[39]

身体の必要は所有に対する尺度であること、丁度足が靴の尺度である如くである。
汝じ之を守らば則ち尺度を有って居る。
之を越ゆれば必ずや淵に陥るが如くである。
丁度靴に於いて次のようなことがある如くである。
汝じ一度足の必要を越ゆれば、第一に金箔付きの靴となり、次に色彩を施し、それからまた刺繍するに至るであろう。
物は皆な一たび尺度を越ゆれば制限がない。

現代語訳・抄訳

身体的な需要というものは各々の財産の限度を示すに役立つものである。
この需要を充たすことに満足する者は、足るということを知っている。
これを越えて欲せば、まるで淵に陥るが如くに止めどがなくなるであろう。
たとえば靴で考えてみよう。
靴に対して足の需要を越えたとき、まず靴に金箔を施すであろう。
それでも満足せねば、更に色彩を与え、遂には刺繍するにまで至るのである。
このように物というものは、一たび限度を越えれば制限がないのである。

出典・参考・引用
カ-ル・ヒルティ著・平田元吉訳「幸福」55/190,エピクテ-ト著・斎木仙酔(延次郎)訳「修養訓」49/105
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備考・解説

ヒルティ著の「幸福」には次のような補注がついている。
吾等は衣食を得れば之に満足したい。
「凡て此れ以上のものは芸術的要求である。此れは元来制限のないものであって、富は限りあるに、途方もないところまで上っていくものである」。(バイエルン王ルートヴィヒ二世)、是れ奢侈の重なる危険であって、之が精神的に必ず人を損なう所以である。

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エピクテトス
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